2013年8月24日土曜日

グリムの森ができるまで 4 [写真の加工と仕上げ]

さて、今回は撮影した写真を加工していくお話。パソコン上で画像データを扱った事のない方にはちょっと退屈かもしれません。
なんだかんだいろいろ弄ってるんだな〜と適当に読み進めていただければ幸いです。



ほとんどの作業はphotoshopで行います。私が使用しているのはCS5ですが、10年前くらいのphotoshopでもできるような技術しか使っていません。

まずは撮ったデータをデジタル現像。
私はこの段階で明るめ、中間、暗めの3枚に書き出します。3枚をphotoshop上で重ねて、いわゆるHDR的な手法で仕上げます。
私の写真はよく絵のようだと言っていただきますが、構図やポーズに加え、写真を撮る上でどうしても免れない黒潰れ、白飛びが無いからそう見えるのだと思います。ソフトを使ってHDR的なものをある程度自動で生成するのでなく、全て手作業でレイヤーマスクを使って必要な階調を取り出していきます。(この辺りは本当にカメラやphotoshopを使ってる方でないと理解し辛い話で申し訳ないです)
ただこの作業は程度が重要で、やりすぎると気持ち悪い不自然なものになりますし、個人的には絵画的というより写真的な構図のものには合わないと思います。
人間の目というのは敏感で、写真を普段あまり見ない方でも不自然なものをあっさりと感じ取ります。
とはいえ、私の作品でも不自然だと感じる方はいらっしゃるでしょうし、ある程度好みにもよるとは思いますが、レンズを通して撮影した写真のクリアな良さもちゃんと生かすように仕上げたいと日々思っています。



こんな感じで人物部分が出来上がりました。それをphotoshop上でカパッと枝の枠に重ねます。
こういう合成段階において、はめてみて不自然さを感じる時は大抵陰影の方向が合っていないか、色温度やHDR的な仕上げの具合がちぐはぐだからです。コラージュでなく、それぞれがそこに同時に存在するように見せたい絵作りの時は、特に陰影の方向は重要です。

さて、人物は木の枝のフレームに編まれるように留められているリボンを指にかけている、という設定なので、リボンを作らなくてはなりません。
画面上でアタリをつけたものを大きめにプリントして、その上に小さい紙に打ったハトメとリボンを配置します。(かなり薄くプリントしたので写真ではあまりよく見えないと思いますが、うっすらと線があります)
枝のフレームと同じく真上から撮影、photoshop上で切り抜きます。



これでやっと必要なデータが揃いました。それぞれのレイヤーのグループを重ねていきます。ざっくりな図解ですが、こんな具合です。



完成したものを見るとお分かりいただけると思いますが、人物はフレームの後ろに居るのに腕はフレームの前、リボンもフレームの後ろに回り込んでいたりします。この辺りは部分的に複製してレイヤーマスクを使ったりしつつ、矛盾の無いように仕上げていきます。

ロゴや日付も入れて完成です。裏のデザインをササッと仕上げ、チケット用の画像やデザインも完成させます。後は印刷所に入稿するだけです。



この時点で5月半ば。同時に制作してきたヴィランズ柄・プリンセス柄のデザインと刷り見本後の修正も終わっていました。



両方の柄とも色が無い印象だと思いますが、実際は4色で刷っています。色の出方の調整が多少難しかったですが、最終的には無事納得のいく色味になりました。
実際に完成したワンピースやスカートはabilletageのオンラインショップでご覧いただけます。

一見2種類しか作っていないように見えますが、それぞれ3段階の丈に合わせて3パターン作っているので、計6種類。1m幅のデータをそれぞれ開いて直していくので、我が家のmacも坂道を登る非力な軽自動車のような必死さでがんばります。
ぐぬぬぬ…という声が聞こえてきそうです。

そして数日後、印刷されたフライヤーとチケットが届きました。
まずまずの仕上がりです。手に取ってくれた方の目を楽しませる事ができれば嬉しいです。



この時期には「かわいいコルセットstyle2」の撮影も無事終わっており、テキスタイルとフライヤー、チケットも完成、出演者も出揃い、パーティーまでの準備前半が終わったと言えます。
とりあえずのスムーズな進行にホッとするのも束の間、文化服装学院リソースセンターでの展示の件がほとんど進んでいない事に気付き、青ざめる我々でありました。

つづく

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